このサイトを訪れて頂いた方の多くはコイン投資にご興味のある方だと思いますが、コイン投資を成功させることは、そう簡単なものではありません。過去成功したコインコレクターの多くは、地道に研究を続け、コレクションすべきコインを吟味してきました。
賢いコレクターは、コイン収集をサポートしてくれる信頼できるディーラーやメンターを探します。多くの知恵はすでに先人によって学ばれており、彼らはそれを次世代のコインコレクターと共有したいと思っています。
「コインを買う前に本を買う」
アメリカには「コインを買う前に本を買う」という稀少コイン投資に対する最も的確なアドバイスがあります。アメリカコイン市場は、過去数十年で劇的に変化し、インターネットの出現により、さまざまなコイン収集の情報に簡単にアクセスできるようになりました。また、アメリカ国内では、コイン収集に関する多くの本が出版されています。一部は電子書籍化されており、アメリカから取り寄せしなくても直ぐ読むことができます。市場価格についても、鑑定会社やオークション会社のサイトで個々のコインの価格を簡単に調べることができます。
但し、インターネット上の情報が全て正しいとは限らないことには気をつけるべきです。ディーラーが発信するセールスレターの中には誤解を招きかねないような表現もありますので、自ら正しい知識を得て判断できるようにすることが大事です。
ここでは、巷でよく聞く稀少コイン(アンティークコイン)投資に関する情報が、本当に正しいのか?を検証していきます。
稀少コインの数は増えないので、価格が下がることはない。
確かに、過去のミンテージ(鋳造枚数)が増えることはあり得ないので、価格は上がる一方だ、という意見は正しいように聞こえます。しかし、これは誤りです。
投資対象となるコインは品質の良いもの、ミントステート(未流通品)が一般的でありますが、ミントステートがどの程度残っているかは、コインの年代や鋳造枚数によって大きな違いがあります。
コイン収集がまだ一般的でなかった19世期当時のコインは、発行枚数が多くても市中に流通してしまっており、ミントステートは殆ど残っていません。
一方、20世期になると使用されていないコインをコレクションする人達が現れてきたため、現在でも品質の良いミントステートが残っている場合があります。
そのような良品質コインが世の中に多く眠っている場合、将来それらがコイン市場に出てくることによって、需給バランスが崩れることは十分考えられます。
実際、1878年から鋳造開始されたMorgan $1銀貨は、大半が通貨として市中に流通していたため、ミントステートが少なく稀少性の高いコインの一つでしたが、1970年代に政府保有のMorgan $1銀貨(ミントステート)が市場に大量放出されたため、稀少コインから一気に入手しやすいコインとなってしまったことがあります。
新興国が豊かになると新たな富裕層が生まれ、コイン市場に参加してくるので、価格が上昇する。
仮に、新興国に新たな富裕層が生まれてコイン市場に参加するとしても、彼らが参加するのは自国のコイン市場でしょう。一般的にコインコレクターは、自国のコイン収集に最も力を入れます。日本では、日本のコインよりもヨーロッパ(特にイギリス)コインの方が人気ですが、これは極めて例外的な動きです。
稀少コイン相場は一貫して上昇を続けている。
これは特にイギリスコイン向けのセールストークでよく聞かれますが、過去に下がったことが無いから将来も下がらないという保証はありません。
こちらは、代表的な米国稀少コインの市場価格をインデックス化したグラフですが、1970年代より始まった価格の上昇は、80年代のPCGS、NGCの設立によりヒートアップしバブル相場を形成しましたが、結局その後急落しています。
コイン市場には純粋なコレクターだけでなく投資家も参加しております。彼らが資金を引き上げれば当然、相場に影響を及ぼします。
下記リンク先Q26のヘリテイジ社副社長のコメントも是非、ご参考ください。