Draped Bust Silver Dollars(1795-1804)
Draped Bust Dollar(ドレープド・バスト・ドル)は、Flowing Hair Dollarsに続く米国で2番目に鋳造された1ドル銀貨です。1795年から1803年にわたり発行されたこのコインは、大きく異なる2種類のデザインがあります。
また、1804年のDraped Bust Dollarは、1834年にプルーフコインとしてごく少数鋳造され(1804年にこのコインは作られていない)、稀少性や魅力あるストーリーを持ったこの年代は、アメリカを代表するコインとしてKing of American Coinsと呼ばれています。
ドレープ胸像のデザインは、米国造幣局の初代チーフ彫刻師であるロバート・スコットによるものです。このデザインは他のコインにも採用されており、多くのコインコレクターに親しまれています。
リバティの頭上には「LIBERTY」の文字があり、前後には当時の連邦の各州を表す13の星が描かれています(13より多いパターンもあり)。1795年〜1798年の裏面には、雲の上に立ち花輪に囲まれたイーグルが描かれており、”Small Eagle”タイプと呼ばれています。

1795年 Small Eagleタイプ
一方、1798年以降は、翼と爪を広げ、胸元に盾を持つ紋章風のイーグルが描かれています。鷲の爪は矢の束とオリーブの枝を、くちばしは「E PLURIBUS UNUM」と書かれたリボンを持っており、こちらは”Heraldic Eagle”タイプと呼ばれています。
Heraldic Eagleタイプの表にもリバティと13の星が描かれています。星の配置は左7個、右6個に統一されていますが、1799年の一部に左8個、右5個のレアものが存在します。

1802年 Heraldic Eagleタイプ
Draped Bust Dollarsシリーズは鋳造枚数が多いものの、殆どが市中に流通していましたので未使用品(MS)は稀少です。また、Heraldic EagleよりSmall Eagleの方が稀少性が高く取引価格は高めです。年代別では1797年の鋳造枚数が他の年代より少なくなっていますが、価格にはあまり影響がないようです。
なお、1804年に関しては別格で、特に人気の高いClass1は鋳造枚数が8枚、最もグレードの高いPR68は、$4,140,000(約4億4,000万円)で落札されています。
【2021年8月20日追記】
2021年8月のStack’s BowersオークションにPR68が登場、$7,680,000で落札されました。