1878年から1904年まで発行されたMorgan Dollarには、毎年数百枚程度のProofコインが鋳造されていました。1921年にも新たなハブを使用してMorgan Dollarが再生産されましたが、Proofが鋳造された過程や枚数については不明な点があります。
ウォルター・ブリーンの『プルーフ百科事典』には次のように書かれています。
貨幣学のプロモーターであり起業家でもあるファラン・ゼルベは、「1921年に発行される予定だったPeace Dollarsの生産が遅れ、同年中に市場へ流通させることができなかった”お詫び”としてProofコインが作られた。しかしその枚数については、20枚と言う人がいれば200枚と言う人もいた。」
「コインディーラーのヘンリー・チャップマンは、このProofコインの存在を知ると、造幣局の彫刻家ジョージ・モーガンのところへ行き、素晴らしい品質の10枚を手に入れた。」
PCGSでは46枚、NGCでは23枚が認定されていますが、『プルーフ百科事典』では”チャップマン・プルーフ”の枚数は12枚と書かれており、鑑定会社の数字は明かに多過ぎです。貨幣学者のQ. David Bowersも、自著Morgan Silver Dollars Guide Bookの中で次のように述べています。
私は65年の間に、ミラーリングされたチャップマンのプルーフと呼べるものをほんの一握りしか見たことがありません。
2020年9月17日に開催されたヘリテイジオークションで Bob R. Simpson Collectionの一つとして出品されたChapman Proof 1921 Morgan Dollar PR66+ CACは、$132,000で落札されました。